2015-03-18

鯨井謙太郒×富田真人『宇宙ごっこ』

『宇宙ごっこ』仙台公演まで、いよいよ一ヶ月を切った。


今月は毎週3日間ほど仙台に滞在してクリエイションしているが、上京して十数年、これまでで一番仙台に帰っているような、、、


今までになく身体が“仙台化”してくるような、不思議な感覚だ。




今回の『宇宙ごっこ』は、世間的にいうところの「幼なじみ」富田真人氏との共同作品。


ダンサーでもなく、いわゆる舞台人でもない彼の本職は「バーテンダー」、そして「朗唱家」。


これまで、オイリュトミーの朗唱や、自主企画の朗読パフォーマンスなどを行なっていて、2013年には、コルヴスの仙台公演でも朗唱家として共演している。




稽古後に彼と語り合っていると、仙台での十代の頃の出来事を、僕はほとんど憶えていなかったりして唖然とすることも多い。


長らく記憶の彼方に忘却されていたことが無数にあるらしい。


でも、あの頃はめまぐるしく何かが起きていたのだから、仕方がないとしよう、、、?




16,7歳の頃だったか、
ワケあって⁈某組事務所に何日も拉致監禁されたり、


とある右翼団体と警察、双方から追われて、やむなく宮城県外へ逃亡生活を送るハメになったり、


北日本暴走連合◯◯の副総長と一悶着あり、4,50人の輩に囲まれて逆に殺されかけたり、、、


夜な夜な盗みやら、喧嘩やら、何やらに明け暮れていた少年時代の日々の悪業が、今回、リハーサルで帰仙するたびに想起されてくる。




、、、ちなみに、当時の仙台中央署の留置所は、本当にTVドラマに出てくるような独房で、和式トイレが一つあるだけの3畳ほどの小部屋だったな。


しかも、隣の独房にはイスラエル軍の女兵士がいて、消灯後、片言の英語で壁越しに会話していたような記憶も。(担当刑事から「あれは女だけど、オマエなんか一瞬でヤられるぞ」と怒られた)


今思えば、留置所という場所は少年も大人も一緒なので、かなり身近に凶悪な雰囲気を感じるところかもしれない。


、、、とにかく、世の中には悪いのが山ほどいた。


周りにも売春少女やジャンキー、レディースみたいな女の子ばかりいて、時にはまるでサドの小説のようだったし、他にもとてもここに書けないことが山のようにあるけれど、90年代は、ニュースや、新聞記事にならない少年事件はいくつもあったと思う。


だから、通り魔や、テロリスト、重大犯罪を犯す少年と、自分は何も変わらないのかもしれないと思うことが、正直今でもあったりする。


もしかしたら、ヴェンダースの「ベルリン天使の詩」のように、人生のかたわらに、いつも守護天使のような力があったのかもしれないなどと、勝手に想像しては感謝しているが、、、




ところで、今回の仙台公演は、その頃の罪滅ぼしのためにやろうというわけでは、勿論ない。


富田真人氏と仙台で公演を行なえることが、僕自身とても嬉しく、シンプルに楽しいし、


今回の公演は地元の皆さんの協力のおかげで、これまでになく様々な方面で動きが広がっていて、僕にとっても、そのことがとても力になっている。
みんなには本当に頭が下がる思いで、僕も頑張らなければと思う。




「滅びゆく時代に、産め、宇宙を。」
チラシにある彼の熱い言葉。


いま、この日本の政治、経済、芸術の在り方を、根本から覆す力というのは、人と人とのリレーションシップなしには不可能だという想いは、ますます強くなる一方だ。


東日本大震災から4年経ち、仙台空襲で焦土と化してからは70年。


復興とは、文明の表層だけではなく、喪われたものたちと共に、そして、現在を生きる人間の自由な力によってなされるものだろう。


是非、この『宇宙ごっこ』に多くの方にお運び頂きたいと願うとともに、かつての因縁の「お礼参り」のためのご来場は、固くお断りしているので悪しからず!!




本番は4月12日(日)18時開演。


会場はエル・パーク仙台スタジオホール。


ご予約はコチラ→uchugokko@gmail.com








神山さんのお墓参り

写真家、神山貞次郎さんのお墓参りに、ようやく行くことができました。


昨年から、月1回、仙台でコルヴスのオイリュトミークラスを行なっているのですが、その会場からすぐのところにあるお寺でした。


「いつ仙台でやんの?撮り行くから言ってよ〜!」


神山さんの笑顔と、到底感謝しつくせない言葉が、いまも胸のなかで蘇ります、、、






『毒と劔』@セッションハウス、終演致しました。


『毒と劔』


お陰様で二日間三回公演とも大盛況のうちに終えることが出来ました。


ご来場下さりました皆様には、心から感謝申し上げます。


今回、本当に多くの方々からのお力添えをいただき、セッションハウスの直子さん、孝さんはじめ、心強いスタッフのバックアップに助けられながら、舞台を創りあげる事が出来ました。


とても恵まれたことで、有難いことだと思います。


また、出演して下さった大倉さん、よしか、浅見さん、泉さん、サダさん、みんなギリギリの日々のなかで、一緒に稽古でき、踊る事ができたこと、最後までこの作品に力を注ぎ続けてくれたことに、言葉にならない想いがあります。
本当にお疲れ様でした。


そして、「詩の発生」についてのテキスト「elements〜私の作詩法」を書き下ろしてくださり、昨秋のwwfesからご尽力いただいた詩人の城戸朱理さんには、とても感謝しきれない思いです。
心より御礼を申し上げたいと思います、、、